日々巡らす思索の結果をブログという形式に昇華した事によってインターネット上に常駐し始めた、日付順に並ぶ一連の文章群。人工衛星の様に電子の海に浮かぶそれは筆者の頭中世界を大いに反映する。
Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.15,Thu
昨日は病院に行った。このところ、殆ど毎日のように自転車に乗っている気がする。代わり映えのしない景色にいい加減飽きてきた。私の街は坂が多く、ペダルを漕ぐのに少々骨が折れる。交通量の多さもあって、風景を楽しむサイクリングという訳にも行かず、無機物で組み上げられた胎内を走っているようなつまらなさの為、嫌気が差すのも道理ではないだろうか。
そう、私は喘息持ちである。数ヶ月前、急に発作が起こり――これまで風邪をひいてもせき込むことが少なかったにも拘わらず――定期的に必要である薬の処方を受けに行ったという次第である。診察まで、運が悪かったのか、非常に待ちに待たされた。病院の待合室というのは、何らかの病気を抱えた人が集まる場所であり、覇気がなく、どんよりと特に時間が濁っている。同じ時間と雖も、基調となる場の雰囲気によって体感時間は変わるものだ。薬品の緊張を誘う刺激臭と共に、体に流れ溶け込む鉛のような時間は、眠気があるのに眠れないような、体は眠っていて意識のみが地滑走をする状態を呈さしめる。――閉鎖的過ぎたあの場所で、しかし縛られた思索が展開する事もなく、最終的に眠り込んでしまったのであるけれども。
快晴、垢抜けた空――窓の外が眩しい。強烈なコントラストを成して、日陰との間に軋轢が生じる。これは自分が――極軽度であり、これといった症状はないのだが――やはり病んでいる、という実感を定着させるので嫌なものである。通院するのは、雨が今にも降りそうな、黒灰色が覆う不健康な空の下が良い。
そうして思うのが、自分が如何に無為の生活をしているかである。本日の如く、医者に会うのもそうなのであるが、多忙、活動的な有名人の日記を読むと――松井玲奈さんのような――その実感を強くする。
何か力に私もなりたいと常々思っているのであるけれど、私は余りに無力である事に気が付いた。世の中は物凄い力で回っていて、圧倒されるばかりだ。どのような人でも精一杯生きていて――私がこのように一種の創作活動をしているのがまるで馬鹿馬鹿しくなる程。結局何の役にも立っていないじゃないか。人を直接救うには、ひ弱な体では支えきれず、寧ろ救う側の人間に助けられる事になりそうで、しかしそうかと言って、私の頭には万人を救える賢い策が思いつくにたるキャパシティーのあろう筈もなく、ああでもない、こうでもないとひっきりなしに下らない考えを次々に拵えては放り投げ、を繰り返し。詩では駄目なのかもしれない。何しろ読む人はどのような状況であれ、その時は完全に一人なのだから。――意識は共有できない、読んで生まれた感情さえも。恐らくこうだろうと推し量る事しか無理なのである。
仕方あるまい――生まれた時も一人、死ぬ時も一人――本来的に人間は孤独なのだ。何が出来るのか。孤独を癒し、希望を灯したい。
確かに思考の共有は出来ないかもしれない。しかし、笑顔――笑いの共感は可能であると信じている。子供達の無邪気な笑顔を見て、心温まらない人はいないだろう。
そんな思いで詩を書いた。これは自己満足かもしれない。何より自分が救いを得る為なのかもしれない。けれども読んで欲しい。
『幸福な訪れ』
可愛い声が風に乗り
街を越え、川を渡り
鳥の背中を押しながら
虫にからかいをけしかけ
寂れた荒れ地に生気が戻る
不毛な戦場の真中を
子供達が笑いながら駆けていく
上下に青い、空と海
真っ赤に燃える太陽を挟み
そこから左右に言葉が広がり
愛と自由を表象する、歓喜の旗を振りかざし
子供達は笑いながら駆けていく
そう、私は喘息持ちである。数ヶ月前、急に発作が起こり――これまで風邪をひいてもせき込むことが少なかったにも拘わらず――定期的に必要である薬の処方を受けに行ったという次第である。診察まで、運が悪かったのか、非常に待ちに待たされた。病院の待合室というのは、何らかの病気を抱えた人が集まる場所であり、覇気がなく、どんよりと特に時間が濁っている。同じ時間と雖も、基調となる場の雰囲気によって体感時間は変わるものだ。薬品の緊張を誘う刺激臭と共に、体に流れ溶け込む鉛のような時間は、眠気があるのに眠れないような、体は眠っていて意識のみが地滑走をする状態を呈さしめる。――閉鎖的過ぎたあの場所で、しかし縛られた思索が展開する事もなく、最終的に眠り込んでしまったのであるけれども。
快晴、垢抜けた空――窓の外が眩しい。強烈なコントラストを成して、日陰との間に軋轢が生じる。これは自分が――極軽度であり、これといった症状はないのだが――やはり病んでいる、という実感を定着させるので嫌なものである。通院するのは、雨が今にも降りそうな、黒灰色が覆う不健康な空の下が良い。
そうして思うのが、自分が如何に無為の生活をしているかである。本日の如く、医者に会うのもそうなのであるが、多忙、活動的な有名人の日記を読むと――松井玲奈さんのような――その実感を強くする。
何か力に私もなりたいと常々思っているのであるけれど、私は余りに無力である事に気が付いた。世の中は物凄い力で回っていて、圧倒されるばかりだ。どのような人でも精一杯生きていて――私がこのように一種の創作活動をしているのがまるで馬鹿馬鹿しくなる程。結局何の役にも立っていないじゃないか。人を直接救うには、ひ弱な体では支えきれず、寧ろ救う側の人間に助けられる事になりそうで、しかしそうかと言って、私の頭には万人を救える賢い策が思いつくにたるキャパシティーのあろう筈もなく、ああでもない、こうでもないとひっきりなしに下らない考えを次々に拵えては放り投げ、を繰り返し。詩では駄目なのかもしれない。何しろ読む人はどのような状況であれ、その時は完全に一人なのだから。――意識は共有できない、読んで生まれた感情さえも。恐らくこうだろうと推し量る事しか無理なのである。
仕方あるまい――生まれた時も一人、死ぬ時も一人――本来的に人間は孤独なのだ。何が出来るのか。孤独を癒し、希望を灯したい。
確かに思考の共有は出来ないかもしれない。しかし、笑顔――笑いの共感は可能であると信じている。子供達の無邪気な笑顔を見て、心温まらない人はいないだろう。
そんな思いで詩を書いた。これは自己満足かもしれない。何より自分が救いを得る為なのかもしれない。けれども読んで欲しい。
『幸福な訪れ』
可愛い声が風に乗り
街を越え、川を渡り
鳥の背中を押しながら
虫にからかいをけしかけ
寂れた荒れ地に生気が戻る
不毛な戦場の真中を
子供達が笑いながら駆けていく
上下に青い、空と海
真っ赤に燃える太陽を挟み
そこから左右に言葉が広がり
愛と自由を表象する、歓喜の旗を振りかざし
子供達は笑いながら駆けていく
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