日々巡らす思索の結果をブログという形式に昇華した事によってインターネット上に常駐し始めた、日付順に並ぶ一連の文章群。人工衛星の様に電子の海に浮かぶそれは筆者の頭中世界を大いに反映する。
Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.24,Sat
夜明け前の純粋な紺色に染まった空
走り抜ける、新たな土地への期待を胸に
酩酊に似た心地で、目覚めてもいない、眠ってもいない
未知への緊張が意識を麻痺させる
ネオン輝く街を抜け、音のない影の山を越えて
終着地は遠く、まだ辿り着かない
果ては雨の土地、荒い海の土地
地層のように積み重ねた歴史を雨が洗い出し
大陸から叩きつける波が大地をねじり上げる
水の立てる細かな泡立つ音と巨塊がぶつかり合う壮大な音の交響楽が鳴り響く
昔の人の呼吸が今も続き、自然の力強さのつまっている、それは素敵な所なのだろう
流れ過ぎる景色をまぶたが徐々に暗がりに連れて行った
あとでいいもの見せてやるからさ
黒い水中に、引き揚げられるのを待つ海水魚として身を任せるままにした
沈んでいく
沈んでいく
先日、石川県へ高速バスを使って旅行に行ってきた。これは、その移動中の心情を詩にしたものである。象徴的で意味が分かりづらいかもしれないが、普段の詩と比べ然程ひねってはいない。寧ろ心境筆写に近い。
事実、車内は揺れに揺れ、到底寝るのに相応しい環境ではなかったし、それは意識の高ぶりと相まって睡眠を阻害し、眠気があるのに眠れないというもどかしい状態に私はさせられた。詩に書いた通り、結局は積もる眠気が勝利し、私は快眠ではないにしろ、一応眠る事が出来たのであるけれども。着いた先では、ちょうど台風が通過している最中での旅であったから靴下まで浸水する程の大変な土砂降りに見舞われ続け、能登半島では潮の、生命力溢れる荒々しい匂いを嗅いだ。それらは詩に殆どそのまま表れている。
こう書くと、余り充実した旅ではなかったかのように思われるかもしれないけれど、そのような事はない。後日それを書こうと思う。
ちなみに上の写真は旅行とは何ら関係のないものである。近所の畑のそばで撮影した。旅出というタイトルに相応しいと思い添付した。ただ、詩の全体的な内容とは一致しない。
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