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日々巡らす思索の結果をブログという形式に昇華した事によってインターネット上に常駐し始めた、日付順に並ぶ一連の文章群。人工衛星の様に電子の海に浮かぶそれは筆者の頭中世界を大いに反映する。
Posted by - 2024.04.26,Fri
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Posted by 雪花美鴎 - 2011.11.05,Sat
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天蓋覆うカプチーノ
 
苦味を柔らかに包み込んで
 
声高らかに、雲は濁りを歌う
 
曇りの映るスプーンにかき回されるまま

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.26,Mon
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私は少女に恋をした
 
南国の楽しげな白い少女に
 
目が合うと彼女は爽やかに微笑んだ
 
立ち上がる影は海に混ざり、目は日陰に寂しく光る
 
風と呼吸し、波が血を巡らせる
 
さながら孤独にゆらめく水の化身であった
 
駆け出せば会いに行ける
思いを伝え、話を交わせる
 
しかし決意のもと私はしなかった
 
思いを閉じ込めるため
永遠のものとするために
 
冷たい無垢の心は情熱の温度に溶けてしまう
 
機会が永遠に失せようと、それだけは避けたかった
 
記憶は沈んで消える
――言葉は記録、記録は消える
 
みずみずしく優雅に踊る姿をフィルムに焼き付け、脆さを包み込んで詩にしてしまおう
 
詩を海から遠い、山奥の洞窟に仕舞ってこよう
 ――流れぬように、変わらぬように
 
いつかのために再生装置は持っておく
 
さらば、一夏の思い出、心の静かなときめき
 
少女は海に飛び込んだ、清澄の底を目指して
 
残された情熱は空を焼き、海温を少し高くした
 
やがて日が沈んでいく

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.25,Sun
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髪振り乱し、苦しみに耐えかねて叫び出す
 
闇に漂う薄い影のように朧な木々の群れ
 
嵐の波に揺さぶられ、体は根元から軋みを上げる
 
水の塊が追い打ちを掛けるかのようにぶちまける
 
様々な音が、大気を巻き込みながら北上する巨大な存在に吸い取られていく
 
通り過ぎる渦の中心はけれどいつも明るい
 
黒い塵を集めて肥大する醜さにも怖じず、青さを保つ
 
無限の深みに回転しつつ吸い込まれ
 
そんな透き通った奥へと悲痛な紛糾は収束する
 
空の先では悲しみの溶ける音が聞こえる
 
心を揺さぶる歌がこだまする

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.24,Sat
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夜明け前の純粋な紺色に染まった空
 
走り抜ける、新たな土地への期待を胸に
 
酩酊に似た心地で、目覚めてもいない、眠ってもいない
 
未知への緊張が意識を麻痺させる
 
ネオン輝く街を抜け、音のない影の山を越えて
 
終着地は遠く、まだ辿り着かない
 
果ては雨の土地、荒い海の土地
 
地層のように積み重ねた歴史を雨が洗い出し
 
大陸から叩きつける波が大地をねじり上げる
 
水の立てる細かな泡立つ音と巨塊がぶつかり合う壮大な音の交響楽が鳴り響く
 
昔の人の呼吸が今も続き、自然の力強さのつまっている、それは素敵な所なのだろう
 
流れ過ぎる景色をまぶたが徐々に暗がりに連れて行った
 
あとでいいもの見せてやるからさ
 
黒い水中に、引き揚げられるのを待つ海水魚として身を任せるままにした
 
沈んでいく
 
沈んでいく


 先日、石川県へ高速バスを使って旅行に行ってきた。これは、その移動中の心情を詩にしたものである。象徴的で意味が分かりづらいかもしれないが、普段の詩と比べ然程ひねってはいない。寧ろ心境筆写に近い。

 事実、車内は揺れに揺れ、到底寝るのに相応しい環境ではなかったし、それは意識の高ぶりと相まって睡眠を阻害し、眠気があるのに眠れないというもどかしい状態に私はさせられた。詩に書いた通り、結局は積もる眠気が勝利し、私は快眠ではないにしろ、一応眠る事が出来たのであるけれども。着いた先では、ちょうど台風が通過している最中での旅であったから靴下まで浸水する程の大変な土砂降りに見舞われ続け、能登半島では潮の、生命力溢れる荒々しい匂いを嗅いだ。それらは詩に殆どそのまま表れている。

 こう書くと、余り充実した旅ではなかったかのように思われるかもしれないけれど、そのような事はない。後日それを書こうと思う。

 ちなみに上の写真は旅行とは何ら関係のないものである。近所の畑のそばで撮影した。旅出というタイトルに相応しいと思い添付した。ただ、詩の全体的な内容とは一致しない。

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.18,Sun
海峡に響く声は波の到来を告げる
 
  大気の深部からの共鳴は複雑な和音
   ――歓喜、悲哀の入り交じる
 
生の呻きが頬を伝い、心海に波紋が起きる
   ――感情が流迷する
 
  悔しき未練――魂の飛翔を阻む透明の壁
    波の創造者へ叫ぶ声は弱々しく、届かない
     ――尽くした精神量だけ疲弊して
 
やがて、幕は降りるだろう
 
  自然の壮大さに打ち破れひしがれた一人の男が吐いた
   ――のしかかる重圧に満ちた鉛のような空気を
 
忘れるだろう、時の果てには
   ――誰も知りはしないのだ

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.18,Sun
夏になると思い出す
  少女の幻影を――儚く消え入りそうに淡い
 
風にたなびく踊る影
 
海面の絶えぬ変形
 
魚の繊細なひれのように溶けていた
  優雅な舞として――深海に消える
 
 
夏が過ぎれば忘れてしまう
  忘れた事そのものも――溶けない雪が降りつもる、無機質な磨硝子に覆われた世界
 
恋焦がれることのない平易な日常
  感じる暇もなく流れる風景
 
時と共に人々は、記録を残さず歩み去る
  虚しく尾ひれを振り続け――惰性で時が止まる
 
 
夏が近づくと生まれ出る
  新鮮な懐かしさ――心の深みと響きあうみずみずしい感覚
 
浮かび上がる揺らめきの概念
 
大地の習慣としての再発
 
変わらぬ姿がそこにあった
  予兆を含む突発的な映像として――絶対的な出現
 
 
 題名に書いてある通り、これはSKE48の楽曲『パレオはエメラルド』にインスピレーションを受けて創作した詩である。すぐに過ぎ去ってしまう夏という季節の儚さを詩的言語で語った。その曲そのものとは直接の関係はない――あくまで直感に基づく。歌詞からではなく、綺麗な浜辺で少女達が踊っているPVを見て、その雰囲気に着想を得たのである。
 これから数度に渡って、エメラルド連作集として詩を投稿していこうと思う。
 

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.16,Fri
丸みを帯びた白い光
 
天蓋に開いた一つの穴
 
未知が漏れい出る
 
――霊的なそよぎと共に
 
撫でるような風が心に吹き抜ける
 
トンネルの向こうまで果てしなく遠い
 
――満ちたり欠けたり、方向は正しいのか
 
闇の中では確かめる術はなく
 
――平面的な地図上に立った目測はあまりに小さくて
 
月は固く閉ざした鉄面皮の奥で不敵に笑う

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Calender
日付という機能を付され、綺麗に配列された数字の序列
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芸術を愛し、風光明媚な情景を好む。
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