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日々巡らす思索の結果をブログという形式に昇華した事によってインターネット上に常駐し始めた、日付順に並ぶ一連の文章群。人工衛星の様に電子の海に浮かぶそれは筆者の頭中世界を大いに反映する。
Posted by - 2024.11.29,Fri
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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.26,Mon
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私は少女に恋をした
 
南国の楽しげな白い少女に
 
目が合うと彼女は爽やかに微笑んだ
 
立ち上がる影は海に混ざり、目は日陰に寂しく光る
 
風と呼吸し、波が血を巡らせる
 
さながら孤独にゆらめく水の化身であった
 
駆け出せば会いに行ける
思いを伝え、話を交わせる
 
しかし決意のもと私はしなかった
 
思いを閉じ込めるため
永遠のものとするために
 
冷たい無垢の心は情熱の温度に溶けてしまう
 
機会が永遠に失せようと、それだけは避けたかった
 
記憶は沈んで消える
――言葉は記録、記録は消える
 
みずみずしく優雅に踊る姿をフィルムに焼き付け、脆さを包み込んで詩にしてしまおう
 
詩を海から遠い、山奥の洞窟に仕舞ってこよう
 ――流れぬように、変わらぬように
 
いつかのために再生装置は持っておく
 
さらば、一夏の思い出、心の静かなときめき
 
少女は海に飛び込んだ、清澄の底を目指して
 
残された情熱は空を焼き、海温を少し高くした
 
やがて日が沈んでいく

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.18,Sun
海峡に響く声は波の到来を告げる
 
  大気の深部からの共鳴は複雑な和音
   ――歓喜、悲哀の入り交じる
 
生の呻きが頬を伝い、心海に波紋が起きる
   ――感情が流迷する
 
  悔しき未練――魂の飛翔を阻む透明の壁
    波の創造者へ叫ぶ声は弱々しく、届かない
     ――尽くした精神量だけ疲弊して
 
やがて、幕は降りるだろう
 
  自然の壮大さに打ち破れひしがれた一人の男が吐いた
   ――のしかかる重圧に満ちた鉛のような空気を
 
忘れるだろう、時の果てには
   ――誰も知りはしないのだ

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Posted by 雪花美鴎 - 2011.09.18,Sun
夏になると思い出す
  少女の幻影を――儚く消え入りそうに淡い
 
風にたなびく踊る影
 
海面の絶えぬ変形
 
魚の繊細なひれのように溶けていた
  優雅な舞として――深海に消える
 
 
夏が過ぎれば忘れてしまう
  忘れた事そのものも――溶けない雪が降りつもる、無機質な磨硝子に覆われた世界
 
恋焦がれることのない平易な日常
  感じる暇もなく流れる風景
 
時と共に人々は、記録を残さず歩み去る
  虚しく尾ひれを振り続け――惰性で時が止まる
 
 
夏が近づくと生まれ出る
  新鮮な懐かしさ――心の深みと響きあうみずみずしい感覚
 
浮かび上がる揺らめきの概念
 
大地の習慣としての再発
 
変わらぬ姿がそこにあった
  予兆を含む突発的な映像として――絶対的な出現
 
 
 題名に書いてある通り、これはSKE48の楽曲『パレオはエメラルド』にインスピレーションを受けて創作した詩である。すぐに過ぎ去ってしまう夏という季節の儚さを詩的言語で語った。その曲そのものとは直接の関係はない――あくまで直感に基づく。歌詞からではなく、綺麗な浜辺で少女達が踊っているPVを見て、その雰囲気に着想を得たのである。
 これから数度に渡って、エメラルド連作集として詩を投稿していこうと思う。
 

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